森木製菓

果たして社長になれるのか!?

【感想】『キセキ-あの日のソビト-』良い映画過ぎて菅田将暉くんの存在を忘れたので本当に観てほしい。

こんばんは!
生ハム大好き森木です。


今日は、友達に誘われて『キセキ-あの日のソビト-』という映画を観てきました!


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(※ネタバレ注意)

GReeeenの「キセキ」という曲の誕生秘話を描いたもので、松坂桃李くんと菅田将暉くんが出演しています。



映画『キセキ ーあの日のソビトー』予告


私はこの予告があんまり好きじゃないというか、そもそも今回は予告すらチェックせずに観に行きました。

だってGReeeenなんて全然聴かないし、そもそも彼等のバックグラウンドを知らなかったので、どうせ若者が音楽を通して切磋琢磨するだけの映画なんでしょという冷めた偏見を持っていたのです。

けど菅田将暉くんが出ているから観てみるかみたいな感じで行ってきました。

もちろん当日は緊張して4時間くらいしか眠れなかったです。



で、最初に感想だけ言わせてもらうとめちゃくちゃ良い。

本当に私みたいな人間があんな舐め腐った偏見を抱いてしまってごめんなさいといった感じでした。


この映画では、音楽でやっていきたいと願うが才能を見出すことのできなかった兄・ジン(松坂桃李)と音楽のために生まれてきたと言っても過言ではない弟・ヒデ(菅田将暉)の2人の様子をメインに描いています。


ジンはメタルバンドのボーカルをやっているのですが、医者である父は「そんな人の役に立たないことをやって」と彼を責めたて、時にはぶん殴ることも。

一方のヒデは、そんな父の後を継ぐために、医大合格に向けて一生懸命勉強をしていました。

そう、菅田くんが受験生設定なんですよ。 

それで今日って2月1日じゃないですか。

私の弟もちょうど今日受験だったので、開始10分後くらいで流れた菅田くんの入試シーンを見て早速泣きました。

あぁ、頑張れと思いながら。


しかし、残念ながらその年の合格発表覧にヒデの受験番号は載っていませんでした。

親戚と母親がお祝いのつもりで買ってきてくれたA5ランクのお肉も喉を通りません。

そして友達であり歯科医を目指すナビ(横浜流星)と一緒に浪人をするのでした。

一方でジンは、父の反対を押し切ってライブハウスでバンド活動を続けます。

するとある日、プロダクションから声がかかり、ついにメジャーデビューを果たしたのです。

雑誌にも載ってこれで父に受け入れてもらえると思いきや、父が放った言葉は「そんなお遊びいつまでやっているんだ」というものでした。

ジンは「俺は真剣にやっているんだ」と返しますが、その後事務所の要望に応えることもできなければ、バンド間の仲も悪くなり、最終的に『ハイスピード』は解散してしまいます。


この解散前のライブハウスの楽屋でのシーンが超印象的でした。

事務所が押し付けてきた音楽観に合わせているうちに、ギター担当であり親友でもあるトシオ(奥野瑛太)が「こんなの俺がやりたかった音楽じゃない」と言うんです。

それに対してジンが言ったのは「売れなきゃいけないんだ。自分たちのやりたい音楽をやるために」的な言葉でした。

それを聞いたトシオは問います。

「売れたい理由って本当にそれなの?」


いえ、承認欲求です。

ごめんなさい。承認欲求大好きマンなのでまた承認欲求に着目しますが、ジンが売れたかったのってさっきも言った通り"父に受け入れてもらいたいから"だと思うんです。

もしかしたら最初はただ音楽が好きだからという理由だったのかもしれませんが、多分どこかでこっちの方にすり替わっていたと思います。

で、ヒデは自分は頭が良くないから医大は無理だと途中で気が付き、歯科大にシフトして、結局その年の受験では見事合格。

さらにヒデが歯医者になった理由は他にもあって、それが「お母さんの虫歯を治してあげたい」というものでした。

というもの、ヒデたちの母親は昔から歯の調子が良くなくて、子供を産む度に歯が悪くなっていったと言っていたのです。(でもあなたたちを産んだのがどうこうとかいうんじゃないわよ、とちゃんと言っていました)

そう、この2人の親に認められてもらいたさが超率直なんです。

それでこの後、音楽好きなヒデの方が大学の音楽仲間と曲を作って、それをジンに渡したところ(コイツ才能あるな)ってなって、初めてのライブも大盛況。

プロダクションにも受け入れられ、ガンガンに売れていくわけです。

ジンはボーカルではないものの、彼等のプロデューサーとして活躍していきます。

兄であるジンがあんなに苦労していたのに、ヒデの方はポンポンと成功していく。


けれど、ヒデは最初は趣味程度で始めたし、何よりも歯医者になるという意志があったので、GReeeeNの活動にあまり積極的ではありませんでした。

それで兄と衝突するシーンがあるんですけど、もうね。

また一瞬自分語りを挟みますが、私も弟とぶつかり合ったときがありました。

というのも、弟は将来なりたいものが決まっていて、中学生の頃からそれに向かって頑張っていたんです。

今のところ才能があるとは言えないのですが、それでも毎日努力をする弟を見て、私は本当に心の底から感心していました。

ところがある日、努力が振るわない弟が自暴自棄になって「俺が頑張るにはもう遅いんだ」と言い始めたのです。

その時はお互い怒鳴り散らして発狂するレベルの喧嘩をしました。


皆さん恐らくご存知の通り、私は将来ライターとして活躍していきたいと思っています。

しかしそれに気が付いたのは、就職活動が始まった後、22歳の春。

それでも周りの一部の大人たちは「今のうちにやりたいことが決まっているなんて良いことだよ」と言ってくれました。

私は本当にそうだと思ったんです。だってまだ20代前半ですよ。

なのにそんな私の目の前で18歳の弟が「俺はもうダメだ」とか言っているんです。

10代でダメだったら私はどうしたら良いんだよってなるじゃないですか。

だけどそのときはお互い感情的になるばかりだったので、私は部屋に戻ってパソコンに向かいました。

そしてそのことを含め、今自分が思っていることや、弟の努力について、あとはお互い根拠はないけど成功するという手紙を書いて弟に渡したんです。

そしたらさっきまで何を言っても聞かなかった弟が、また元通りになったどころか、今まで以上に頑張るようになりました。


私の場合、ジンやヒデのように対面でぶつかり合うとかじゃなくて文字に頼ってしまったわけですが、そういうことがあったのでこのシーンはもう大号泣しました。

嗚咽しそうだったので、ずっと自分の腕をつねっていたくらいに。

だって、音楽のために頑張ってきたのに実らなかった兄の前で、才能のある弟が「こんなつもりじゃ…」って言うんです。

そりゃ松坂桃李くんだって激おこプンプン丸になりますよ。

私だってそうで、方向は違えど「お前何を言ってるんだよ」と、やるせない気持ちになるものです。


あとジンとヒデの決定的な違いとしては、本人が楽しんでいるかどうかにあったと思います。

もちろんジンも音楽を愛していましたが、いつしか事務所のための、父親のための音楽になっていってしまいました。

一方でヒデはのびのびと音楽を作ったんです。

けれど、やっぱり厳格な父のもとで育ったというのもある程度糧になっていると思います。


私が以前、親が会社に入ることしか許さんという感じだという記事を書いたときに、いつもの後輩が「ここで『ライターになっていいんだよ』って言われたらそこで甘えてしまうと思うんです。子供っていうのは、親に反発することでのし上がっていけるんじゃないかなって」みたいなことをもっと良い感じの言葉で言ってくれたことがありました。(本当に良い後輩です)

あと以前病院の先生に「怒りっていうのは文章を書く上で大切なものだからね。何かしらの感情が無いと書けないものだよ」と言われたことがあったんです。

本当に2つともそうで、やっぱりヒデも、というか自分を抑えまくっていたヒデだからこそ書けた歌詞ってあるんじゃないかなと思いました。

アートにしろ、音楽にしろ、文章にしろ、その背景にはその人のとてつもない感情が潜んでいることがほとんどだと思います。

だからそういうのは大切にしていきたいですね。


ジンがヒデに対して冷めた態度をとってしまうシーンも無駄に感情移入をしました。

なんというか、ジンも結局あんなに嫌だった父親にされたのと同じようなリアクションをヒデにとってしまったわけです。

父親がジンに対して「もっとちゃんとしろ」と言った理由としては、自分が医者であることに誇りを持っているから、あるいはそのルートが確実に安全であると知っており、それ以外には行かせたくないという気持ちが潜んでいたと思います。

一方でジンのヒデに対するものは、逆に自分が上手くいかなかったのだから、ヒデに同じような思いをさせたくない、それか単純に心の余裕がなかったか、自分が死に物狂いで確立してきたものが才能に負けてしまうのを避けていたというのが要因であったように感じます。

なんかこうやって見ると、本当に自分のやりたいことは自分で決めなきゃなって思いますね。

その人のまだ見ぬものに対する恐怖なんて参考にしちゃいけないって言いきりたい。


あとはなんだろう。

もっと書きたいことがあったはずですが、とりあえず今日はここまでにします。

確かに音楽的な側面でも着目する点はいっぱいあったのかもしれませんが、私はこの"家族が子にもたらす影響"とか"兄弟間の葛藤"みたいな方がこの映画の良いところなんじゃないかなと思いました。


そして全然知らなかったんですけど、GReeeeNって歯医者さんと音楽を両立しているんですね。

ちなみに劇中では、顔を見せない理由は"父親にバレないため"というものでした。

他にも色んな人が登場してもう本当に良い映画だったので、とりあえず時間がある方は是非観てみてください。

特に両親との不和がある人や、捨てきれない目標がある人にはオススメです。

私はガンガンに感情移入をしてしまったので、泣き疲れるくらい心動かされました。

それに最初はいつものごとく(菅田くんカッコいいつらい)みたいな感じでしたが、後半は菅田くんとかどうでもよくなってしまうくらい内容が良かったです。(どうでもよくならないで)

また思い出したら追加していきたいと思います。


以上!!!


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