森木製菓

果たして社長になれるのか!?

【ネタバレ】ホットロードについて語りたい深夜2時

こんばんは。
前略森木です。

つい先ほどまで"ホットロード"という映画を観ていました。
私はこの映画が大好きで、もうなんというかホットロードで卒論を書きたい。
10回以上は確実にこの映画を観ているし、今でも泣いてしまうのです。
なので、今日はブログでホットロードについて存分に語りたいと思います。


始めに主要な登場人物について。


まず、主人公は能年玲奈ちゃん演じる和希

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そして、登坂広臣くんの演じる春山

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和希ママ木村佳乃さんで、さらにその愛人(?)の鈴木くん役は私の大好きな小澤征悦(ゆきよし)さん。

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最後に和希の友達のえり(竹富聖花さん)。

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この子のクシャっとした笑顔が好きです。




和希の家庭は複雑でした。
和希は小さい頃に父親を亡くし、現在はママと2人暮らしをしているのですが、そのママは高校時代から愛し合っていた鈴木くん(妻子持ち)と未だ関係を続けているのでした。

これってつまり、自分の本当の父親がママに愛されていなかったということじゃないですか。
それに、映画の冒頭で和希は万引きをするのですが、ママは鈴木くんに誕生日を祝ってもらっていたために迎えに来てくれなかったのです。
父親が母親に拒絶されるということ(逆でも)は、その子供にとっては苦であります。
自分の存在意義が分からなくなってしまうからです。
両方の遺伝子を持って生まれてきたのに、どちらか片方がもう一方に存在の否定をされると、自分は親から愛されているのだろうか、生まれてきて良かったのだろうか、と思ってしまいます。
だから和希にとっての居場所は家にはありませんでした。
ママから愛されている自信も無ければ、ママはいつも鈴木くんばかり。

和希はそんなママが嫌いだったのですが、いつもママのピンクのガウンを着ていました。

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ママに「どうしていつもそればっかり着ているの?」と聞かれるのですが、和希は無意識だったので「分からない」と答えます。

スヌーピーが出てくるマンガのライナスという少年が、いつも毛布を持っているのを知っていますか?
小さい子によく見られるのですが、何かに執着することによって安心感を得るということがあります。
幼児が同じ毛布を手放さないのは、母親代わりにしているケースが多いらしいのですが、多分このガウンも和希にとっての母親代わりと言うか、安心感を得るためのものだったのでしょう。


この良いとは言えない家庭環境は、春山にすぐに見破られてしまうのです。

ガソリンスタンドで初めて春山と会った日、春山がどんなに話しかけても和希は何の返答もしません。
恐らく鈴木くんのこととかもあって、男の人への不信感が強かったのだと思います。

そんな和希を見て春山は言うのです。

「お前んち、家庭環境悪いだろ」

それを聞いた和希は「お前には関係ないだろ」と言って春山を殴るのですが、さっきまで笑顔だった春山も和希にバケツの水をぶっかけます。


しょっぱな仲の悪い2人だったのですが、似ているところもあったせいか、いつしか一緒にいるようになるのです。
ちなみに、和希の友達のえりは学校で「子供をおろした」というデマを流されており、春山の父親も母親の再婚相手で、弟はその新しい父親の子供でした。
この3人に共通しているのはどこかしらに対する"居づらさ”ではないでしょうか。
だから和希はえりと仲良くし、春山を愛したのだと思います。


ある日、えりと和希が下校していると、車の中から男の人が話しかけてきます。
「一緒にごはんを食べに行こう」とのことでついていったのですが、どうも怪しいということに途中で気付き、えりと和希は車から逃げ出したのです。
しかし追いかけてくる複数人の男。

「捕まえたら、俺が一番だからな!」

外から聞こえてくるその声におびえながら、和希は小さいコンテナの中に身を潜めていました。

すると突然、扉が開き、和希は悲鳴をあげるのですが、そこにいたのは春山でした。
助けに来てくれたのです。

そのまま家まで送り届けてくれ、リビングへと向かうのですが、そこにママの姿はありませんでした。

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小さい頃から、何か嫌なことがあって家に帰ってもそこにママはいませんでした。
けれど春山は助けに来てくれたし、話だって聞いてくれる、辛いことがあったらいつもいてくれる存在で、和希にとっての安全基地だったと思います。
いつしか和希の中で春山の存在は、ママよりも大きくなっていきました。


あと、春山と和希が街を楽しそうに歩いているときに、たまたまママと鈴木くんがホテル(ちゃんとしたやつ)に入るのを目撃してしまうというシーンがありました。
和希は2人を追いかけて、高級そうなホテルのロビーで叫びます。

「パパが可哀想だろ!!!」

この言葉を聞いてすっかり傷心した母親は、家のベットで泣いていました。
和希にとって春山の存在が大きかったように、いつも話を聞いてくれる鈴木くんはママにとって大切な存在でした。
そんな鈴木くんの前で、実の娘にあんなことを言われてしまったのです。

和希はママに向かって問います。

「私、産まれてよかった?」

しかしママは黙ったままでした。
すると後ろにいた春山が、

「おばさんコイツのこと嫌いなの? 俺がもらっていっちゃうよ」

と言うのです。

私は春山がいるならもうママはいいのでは、と思ってしまったのですがそういうワケにもいかないのは最後の方に書きます。

その言葉を聞いたママは言うのです。

「あげないわよ。親が、自分の子嫌いなわけないじゃないの! 産んでよかったに決まってる!」

もうこのシーンは最高なのです。(突然)
今までは総頭の彼女の家や春山の家に住みついていた和希ですが、この言葉を聞いて再びママとの生活を始めます。


そして春山と出会ったことにより"愛される"ということを知り、また、新たな安全基地が見つかったことによって和希はママと鈴木くんの結婚を承諾したのでした。


けれどある日の夜、バイクに乗っていた春山はトラックにはねられ、意識が戻らなくなってしまいます。
自分にとって大切な存在であった春山を失いかけたことにより、和希は10日間も食事をすることができなくなってしまいました。
これは現実じゃない、と自分に言い聞かせるのですが、ママの「病院に行こう」と言う言葉を聞き、春山の事故が嘘ではなかったと自覚します。
とたんに和希は混乱しだし、意識が朦朧とする中、ある人物に助けを求めるのです。
それがママでした。
やっぱり最終的にはママなのです。
多分作品中で初めてママに「助けて」と言ったと思います。


それで、2人とも結局意識は戻るのですが、和希が春山のことで自らの命を粗末にしそうになった一方で、春山は「和希のために生きたい」という思いで奇跡的な回復をしたのでした。
そのことに気付いた和希は、病院のベッドで何度も「ごめんなさい」と謝ります。

あと、ママが鈴木くんにこんなことを言っていました。

「親が愛し合っていれば、子供は自分の大切さに気が付くものかもしれない。和希にはそれをしてあげられなかった」

この2時間を通して、それぞれが気付き、成長していくのでした。
今回は愛着的な部分について重点をおきましたが、まだまだ語りたいシーンは沢山あるけれど、もう眠いので寝ます。

本当に良い映画なんです!
おやすみ!