『ボーイズ・オン・ザ・ラン』という映画を観ました。
尊敬している人に「森木ちゃんは絶対に好きだよ」と言ってオススメされた作品です。
(※ネタバレ注意)
内容をざっくり説明すると、「好きな子を妊娠させたあげく捨てた男を29歳童貞が殴りに行く話」です。
最初はとても甘酸っぱい物語でした。
主人公と23歳の部下(処女)のすれ違いはとてももどかしかったです。
「一緒にいよう」を上手く伝えられず、かと言って相手がその不器用さを汲み取ることもできず、なんだかフワフワしたやりとりが続いたり。
恋愛マスターの友達に文面を考えてもらわないと、核心をつけないメールはどんどん違う方向にいってしまう。
そんな不器用な男女の遅すぎる青春ラブストーリーのはずだったのに、ヒロインは物語の最後の方で言うのです。
「いいよ、フェラチオくらい。ホラ、してあげるからトイレ来てよ!」
どうして23年間も処女を守り抜いてきた彼女の中で、フェラチオが"その程度"になってしまったのでしょうか。
そもそも2人がすれ違ったきっかけは、主人公が性欲を我慢できずヒロインの隣人の風俗嬢に手で抜いてもらったことです。
それを運悪くヒロインは目撃してしまい、落ち込んだタイミングで男が口説き落とし、2人は付き合うことになったのでした。
ちなみにその男は、主人公のライバル会社で働くよき仕事仲間のはずだった人物です。
この時点でだいぶ苦しい。
私の頭のなかは「あ」と「お」でいっぱいになりました。
しかもその男はヒロインを妊娠させた挙句、関係を絶ってしまいます。
ここで主人公がヒロインを慰めてくっつくかと思いきや、ヒロインは最後までその男のことが好きでした。
主人公が殴りに行くときも、ヒロインは男の味方をしました。
そう、その男はメンヘラ製造機だったんです。
恋愛経験の少ないヒロインの基準になるべき人物ではありませんでした。
たぶん程よく突き放したり甘い言葉をかけたりを繰り返したのでしょう。
それにヒロインも引くに引けなかったんだと思います。
自分を幸せにしてくれなかった主人公を恨むほかなかったのです。
人間ってこういうものなのです。
という言葉で片付けたいのですが、私はヒロインが早とちりしすぎだと思いました。
だけど23年も経つと、自分の中の好きな人に対する理想ってどんどん膨らんでいってしまいますよね。
一時の過ちくらいもこの世の終りのように感じてしまうのもおかしくはないでしょう。
おあああああああああああ
でも「必ずぶん殴りに伺いますから待っててください」と電話をかけてしまう主人公と、それを一丸となって応援する子会社の社員たちの関係はすごく熱いものでした。
結局青春ラブストーリーにはならなかったけど、それ以上に青春でした。
そして尊敬している人は私をどういう人物だと思っているのでしょうか。
これでももうすぐ24歳になる立派な女の子です。
だけど実際にこんなにも心を動かされてしまいました。
ありがとうございます。