森木製菓

果たして社長になれるのか!?

恋は不要不急か

真衣(マイ・24)…健次郎のことが今でも少し気になっている(多部未華子)
健次郎(ケンジロウ・23)…真衣とバイト先が一緒だった。今もフリーター(成田凌)
結城(ユウキ・24)…真衣の高校時代からの友達(永野芽郁)
拓海(タクミ・22)…真衣と健次郎と同じバイト先(北村匠海)





@真衣の部屋


結城が映っているPC画面

結城「やっと会えると思ったらまただねー」

真衣「ほんっと…いつになったら普通に出かけられるんだろう」

真衣、頬杖をついてつまらなさそうにする。

結城「もう居酒屋とか半年くらい行ってないかも」

真衣「私も! この前もさ、サークルのOB忘年会に誘われたんだけど、なんとなく断っちゃった。あー行きたかったなー」

結城「でも偉いよー。なんとなく怖いよね」

結城「いつも"また今度落ち着いたら"って断ってるけど、いつになったらその今度が訪れるんだって感じ!」

真衣、チータラを食べながら頷く。

結城、少し前のめりになって、

結城「ね、でもさ、ほんとに落ち着いたら温泉行こうよ! ご飯が美味しい旅館に泊まりたい!」

真衣、チータラを口元から離し、

真衣「良いねぇー! それを楽しみに頑張る!」

結城「ね、ねっ! じゃあまたオンライン飲みしよーね」

真衣「うん! またいつでも」

結城、PCに向かって手を振る。

真衣、手を振り返し、通話画面を閉じる。

伸びをしてから机に置いてあるスマホのホームボタンを押し(17時くらいの時計表示)、少し眺めてからスマホを顔に近付ける。

健次郎(LINE)『いまなにしてんの?』

真衣、けげんな顔で空を見てから、

真衣(LINE)『特に何も! 友だちと電話してた』

真衣(LINE)『どうしたの?』

すぐに既読が付き、返事が来る。

健次郎『まじ! 今日飲みに行かない? 拓海も一緒』

真衣、目を閉じてスマホを一度机に置く。

少しぼーっとしてからスマホを手に取り、結城とのLINE画面を開くが、文字を打ちかけて閉じる。

真衣『どこのお店?』

健次郎『駅前のチェーンかな』

健次郎『おれバイトあるから、19時くらいからになると思う!』

真衣、Twitterを開く。

"これから飲み"で検索をする。

『明らかにこれから飲みに行きますみたいな人たちめっちゃいるじゃん』

『これから飲みです。といっても妻と2人で自宅にて』

『バイトおわた! これから飲み!笑』

真衣、"20時まで?"と打ってから消す。

真衣『(了解!のゆるい猫のスタンプ)』

真衣、支度を始める



板橋駅


健次郎「ごめんお待たせー!」

健次郎、拓海と一緒に歩いてくる。

真衣「お疲れ!」

拓海、軽く会釈をする。

健次郎「突然なのにありがとう! の前に、あけましておめでとうございます」

健次郎、真衣にお辞儀をする。

真衣「今年もよろしくお願いします」

真衣もお辞儀。

3人、話しながら歩き始める。



@居酒屋


拓海「真衣さん、最近どうしてたんですか?」

真衣「もーずっと家。家と職場の往復だけ」

健次郎、注文パネルをいじりながら、

健次郎「偉いよね! 俺とか全然飲みに行ってるわ」

真衣、健次郎の顔を見る。笑いながら、

真衣「えーなんか怖いな! かかってないよね」

健次郎「大丈夫! 若いし」

真衣、スマホの画面を見る。19:15。

お酒が運ばれてくる。

乾杯をし、談笑する。



帰り始める人が増える。

拓海「あー、もう20時ですね」

真衣「あっという間だったね」

真衣、コートに手を伸ばす。

健次郎「あの踏切渡った向こう側にさ、開いてる店あるんだよね」

真衣「えっ…今」

拓海「俺明日早いのでそろそろ」

拓海、両手を合わせる。

健次郎「あー、そっかぁ」

健次郎「真衣ちゃんは、いける?」

真衣、拓海の顔を見ながら、

真衣「あー…ごめん私も…」

健次郎「あ、そうだよね。というか、真衣ちゃん普通に帰りたいよね」

真衣「あっ」

健次郎「また今度」

健次郎、真衣を見てニコッと笑う。

真衣「でも」

真衣、スマホの画面を見る。19:53。

真衣「あと一杯だけなら」