嫌な引き寄せをしました
昨日友だちと電話で話をしていたときのことだ。
「街で知り合いを見つけがちで、でも例えが悪いけど、私って集中力が散漫なせいかゴキブリを見つけやすいんだよね。だからそれと一緒で私の人脈が広いとかじゃなくて、みんな気付かないだけで結構その辺に知り合いって溢れている気がする」みたいな話になった。
それに対して友だちが言った。
「でもさめちゃん(森木)が引き寄せてる説もちょっとあると思うよ~」
そういえば、私は普段自分から人に連絡を滅多にしない。
でもしたいときがある。
夢に出てきたとか、なんとなく思い出してとかそんな理由でだ。
あるのだけれど、慣れていないから仕方が分からない。
そうするとだいたい相手が連絡をくれたりする。
だから確かに、その説は否定できない。
そしてそれが確証に変わったのはすぐ後のことで、そんな話をしながらまた癖で部屋をキョロキョロ見渡してしまったのだろう。
視界の隅に、足がトゲトゲした黒い物体が入った。
「どうしよう、ゴキブリの話したから引き寄せちゃった」
とか冷静に言えたのは最初だけで、その後は友だちとの電話を繋ぎながら大パニックに陥った。
ブラックキャップを何個も置いているし、もうシーズンも終わりに近いと油断していた。
慌ててゴキジェットを取りに行く。
自分の部屋にゴキブリが出たのは実に7年以上ぶりだ(と思う)。
急いで吹きかけるが、さすがバキの師匠とだけあって瞬発力が違う。
しかもそのゴキジェットもしばらく出番がなかったからか、噴射するたびに液体が垂れてきて私の指がダメージを食らう。
しかし負けない。
それに私のラオスでの場数を舐めないで欲しい。
多いときは一晩で5匹と対峙した。
だから4畳半にいる1匹なんて大したことは無い。
バキの師匠は本棚の下に逃げ込んだ。
このまま夜を過ごすなんて最悪だ。
それにこうして暗がりに入ったときはラッキーだ。
その狭い隙間に殺虫剤を充満させることで、ヤツは苦しみから逃れるために広いところに出てくるからだ。
だから私は指に変な冷たさを感じながらスプレーを使い続けた。
そうしたらすぐ後に、やはりジタバタしながら姿を現した。
そこにとどめの一撃。
ひっくり返っても油断はせず、急いで箱をかぶせ、念のため2kgのダンベルをおもりにした。(ごめんねダンベル)
そして翌日、森木母がゴミ袋へと葬ってくれた。
「思ったよりも黒々としたヤツだね」と言っていた。
私はまた1つ強くなったし、会いたくない人のことはあんまり考えない方が良いということを学んだ。