森木製菓

果たして社長になれるのか!?

(件名なし)

もしも太宰治が生きている時代にTwitterがあったら、「恥の多い生涯を送って来たなぁ」の一言で彼の感情を消化し、あの大作を殺してしまっていたのかもしれない。
もしも私がごく親しい友人と全くの他人しか知らない鍵アカウントを持っていたら、これまでの診察で貯めてきた5ヶ月分のマイスリーの写真と共に「ホテル代出すから、誰でも良いから4連休中に抱いてくれ。あるいは抱いてくれそうな人を紹介してくれ」というしょうもないツイートをしていただろう。
突然こんな意味の分からないメールを送ってしまってごめんなさい。
私には太宰のような文才はないので、死を持って簡単に表現をしようとしたのだけれど、その勇気すらもまたなく、ただ私のことを何もかも知っているあなたに伝えたくなりました。
私はこの先どうやって生きていったらいいのか分かりません。
まず、大好きな彼氏に別れを告げられました。別れを告げられそうになるなと思った段階で、過去に1度きり体の関係を持った男に連絡をしました。
寂しかったのです。心にこれから空くであろう穴を埋めてくれる相手ならだれでも良かった。
それにまた新しい関係がここから始まれば、という淡い期待もわずかにありました。
その男は顔も声も何もかもが私の好みだったし、その後も声はかけられたけれど、それでもたったの1度で終わらせてしまったのはすごく乱暴な人だったからでした。
そのときだけだったかもしれない、と思って久しぶりに連絡をしていざ会うと「無視したくせに、突然連絡をしてくるなんてワガママだ」と第一声で責められ、それでも心がアリジゴクのように崩壊していくのを止めてくれるのならこんな奴でもと思って必死に食らいついたんです。
けれどダメだった。
場を和ませるために言ったジョークにもいわゆるマジレスで返され、その程度の知能の男に抱かれるのかと思うと、どんな馬事雑言にも耐えてきた私もさすがにその場を去るしかなかった。
その後は互いの寂しさを知った上で関係性に名前を付けず、ただ時折正しく慰めあっていた男友だちにも連絡したが、返事はまだ来ていません。

原点に返り、私を捨てそうな彼氏に「今までありがとう」というメッセージを送りました。
すぐに返信がきましたが「なに勝手に終わらせとるん」という抵抗はそこにはなくて、ただ一言「うん」と書いてあるのみでした。
勝手にこんな惨めな思いをしたあげくにいい女ぶって送った言葉には、そんな簡単な言葉程度の価値しかなかったんだと思ったらとても悲しかったです。
その後も彼氏の良いところを沢山送りつけてやりました。
私は今回、うまくやったつもりでした。
今までお付き合いした人には、どうしても心の不安定な部分が出てしまって迷惑を散々かけてきたから、納得いかない部分があっても「うん!」や「分かった!」の一言で終わらせなるべく気丈に振舞っていました。
しかしたったの3ヶ月でした。
今度こそはと頑張ったけれど、ダメでした。
理由を聞いたら「君に悪いところはない。ただ1人になりたい」と言われましたが、事前に読み漁っていた知恵袋で似たような質問に対し「そういうのは良い人で終わりたいからだ」という回答を腐るほど目にしてきたからそれ以上は聞かなかった。
また振出しに戻る。
そういえば、"じゅんれんか"と聞いてどの歌を思い浮かべますか?
私はパスタ作ったお前に惚れた歌しか知りませんでしたが、最近別のじゅんれんかを知りました。
じゅんの字は「純」ではなく、「巡」です。
『いつまでたっても恋の矢は あなたの胸には刺さらない だから私の恋は いつも 巡り巡ってふりだしよ』
そういう歌詞があります。
最近この歌ばかり聴いていたのは、何か予知していたからかもしれません。

さて、その前に2年間片思いして3年付き合った彼氏とは相手の浮気が原因で別れることになり、それ以外の異性ともうまくいかなかった私に、この先どんな道が待っているのでしょうか。
私は愛することも愛されることも怖いのです。
それは最も身近な異性である両親の仲がいつからか悪く、愛し合った先に絶望しかないと思い込んでいるからです。
愛に思い切り飛び込むことで私は1つ成長できるのですが、もう27も生きた自分の人生を否定することが怖く不安定ばかりを求めてしまいます。
だから円満でない関係をなぜか心地よく感じてしまうのです。
つまり私は心を病んでいないと、幸せに生きていくことができない可哀想な生き物になってしまいました。
一般的な幸せはこの先もきっと手に入れられないでしょう。
異性との関係が人生の全てではないけれど、しかしそう言い聞かせるにもいずれは限界がやってきます。
お得意の自傷行為は、最近好きになったオシャレというものが楽しめなくなるのが嫌だなと思ってすんでのところでやめました。
だから今はただの生き地獄。ちょっとマイスリーを半錠取り込ませて。もう少しだけ私の話に付き合ってください。

ヤクを使っているアーティストがたまにいますが、そうすると自分の知らない感情を自分の能力を超えて表現できるから心地いいのでしょうね。アレはただのチートです。
私が今マイスリーを摂取したのは、睡眠への誘いを遮って無理やり起きていると起こるそのような現象を引き出すためです。
アルコールを心地よく飲んだときの感覚と似ています。
でももうほとんど伝えきってしまったような気もする。

あとは1人暮らしがしたいです。
親元を離れて生活がしたいのは、各々が多大なる愛情を注いでくれた両親に「親がそんなんだからだ!!!」という酷い言葉を浴びせてしまう日がそろそろ近いような気がするから。
その前にこの家を出てしまいたい。
何もかもを乱しているのは間違いなく私の心の弱さのせいだけれど、しかしその原因をきっと両親に当てはめてしまうでしょう。
ごめんなさい。こんなに親不孝な娘に育ってしまってごめんなさい。

だから、だとしたら仕事も変えないといけなくて、しかしこんなに温かい職場からお金だけを理由に転職をするのも薄情な気がしていつまでも1歩を踏み出せずにいます。
何もかもが中途半端なのです。
この状態が永遠に続くわけでもないのに、そう錯覚してしまって、それならいっそのこととふと考えてしまいます。
しかし、冒頭で書いたようにそんな勇気も無い。
私の表現力はそこで限界でした。
中学生の頃、生きているのがつらくて毎日ベッドの上でのたうち回りながら声にならない声を出して泣いていました。
その後は生きていて良かったと思える出来事がたくさんありましたが、また同じ日が近付いているのが分かります。
私の人生の最期はどの感情と共に終わるのでしょうか。

最後に、とても無謀なお願いですが、あなたの嫌いな人で誰か私のことを幸せにしてくれそうな人がいたら紹介してください。
またこの日々がやってくるのが怖いので、次の幸せの周期の段階でそのまま、それを最後の記憶にしたいと思うのです。
できればその楽しいときはあなたと過ごしたいけれど、そうするとこんなメールを突然送りつけられて、罪を感じてしまうでしょう。
だからあなたの嫌いな人に私を殺させてください。

P.S. 読み返していないのでちぐはぐなところがあったらごめんね